口腔機能低下症の検査をおこなっています。
「口腔機能低下」とは、加齢により口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が少しずつ低下してくる症状です。
「口腔機能低下」を早期に自覚することで生涯にわたり、食べることを楽しみ、会話に花を咲かせ、笑顔が続く健康長寿を支えます。
「食べ物が噛みづらい・飲み込みにくい」「お口の中が乾く」といったことでお困りの場合は、ご相談ください。
健康で毎日美味しく楽しく食事ができ、家族や地域とコミュニケーションが取れると毎日が充実してきますね。
お口の機能が落ちてくると、体力・気力・意欲・コミュニケーション力(社会性)が落ちていきます。
老化は誰でも起こります。しかしそれに気づき機能が維持向上できたら老化の進行をできるだけゆっくり遅くできます。
診療室では、この検査とそしてその後の機能訓練(体操)(エクセサイズ)を患者さんお一人お一人に合うよう取り組んでいきます。
歯科医師・歯科衛生士からお声をかけさせていただくこともあるかもしれません。全身だけでなく、お口やお口の周りの筋肉にも是非関心を持ってください。
【舌苔(ぜったい)の付着度】を検査します。
舌苔は、舌クリーナーや舌ブラシを歯磨きの時に一緒にされるといいです。
気を付けていただきたいことは、力を入れすぎないように。味蕾という味覚を感じるところを傷つけないように優しいタッチで当ててみてください。
白っぽい・黄色っぽい舌苔が付着している原因で考えられるのは、あまり咀嚼しない・舌を動かさない・口呼吸・だ液の分泌の低下なども考えられます。歯磨きの時、舌苔も観察して変化をチェックされる習慣をお勧めします。舌は健康のバロメーターでもあります。
【口腔乾燥度】を調べます。
だ液は、主に耳下腺・顎下腺・舌下腺から分泌され成人では1日約1.5Lです。
消化作用・洗浄作用・潤滑作用・抗菌作用・緩衝作用(PHを中性にする作用)などの働きがあります。
だ液分泌量が減少すると、お口の中の粘膜が乾燥したり、粘性が出たりします。虫歯や歯周病の進行、粘膜の発赤、口内炎など発症することがあります。
ストレスや薬の副作用、自己免疫疾患などが原因することもありますが、加齢が伴ってだ液の分泌量が低下します。
食事を味わって咀嚼する、唾液腺マッサージ、鼻呼吸を意識するなどが有効とされます。
【機能している歯の】の本数を調べます。
第一大臼歯(6歳臼歯)は体重くらい(60㎏)の噛む力があるといわれます。入歯になると、部分入れ歯になるとその30~40%、総入れ歯は10~20%、ブリッジは60%と言われます。
入れ歯やブリッジも健康な生活をするうえで大切なことではありますが、天然の歯には歯根膜という食べ物の硬さ大きさなどの形態や量・質を感覚で察知する機能を持っています。
【「パ」「タ」「カ」を発音の回数】から舌と唇の運動機能を調べます。
「パタカラ体操」を聞いたことがありますか?この体操をすることで、食べこぼしが減る、食べものを押しつぶしたり丸めたり、飲み込みやすくする効果があるといわれます。
「パ」は食べ物を最初に口にする時の動きとなります。
「タ」は舌の先を上顎につけて食べ物を押しつぶす。
「カ」は舌の奥で噛みこんだ食事を上顎の奥(喉の方)に送り込む(飲み込む)。
検査では「ラ」は行いませんが、「ラ」は舌を反らせることで食べ物を丸めて飲み込みやすい形にします。
【舌の筋力】を測定します。 舌の力が弱いとはどういうことなのでしょうか?
舌は、食べ物を口に入れてから飲み込むまでの間いろいろな動きをします。この舌の力が弱いと上手く飲み込むことができなくなり、舌の上に食べ物が残ったり、むせの原因になります。また、舌が下顎の方へ下がり軌道を圧迫して鼻呼吸がしにくくなり口呼吸となります。
舌は筋肉でできています。舌を上顎につけて「ポン!」と鳴らす『ポッピング』や舌で唇や頬を押しながらゆっくり回す『ベロ回し(ゴリラの顔真似)』などが有効です。
【咀嚼機能】を検査します。
咀嚼(そしゃく)とは?
咀嚼とは、食べ物をよく噛んで、味わって、飲み込みやすい(消化しやすい)形にすることです。咀嚼機能に問題のない場合の正常値は200~250㎎/㎗あると言われます。100㎎/㎗未満になるとむせの原因や食事の偏りによる低栄養になる可能性があります。
食事の形態を工夫することも必要ですが、咀嚼機能を向上するためにはお口の環境を整えることが大切です。よく噛めるよう、虫歯や歯周病を放置していませんか?入れ歯のかみ合わせはあっていますか?
咀嚼機能を向上すると、お口周辺の筋肉を鍛えます。表情筋も使い表情が豊かになります。だ液の分泌が増えます。がんの予防、脳を刺激し認知症の予防、ダイエット効果、誤嚥の予防などがあげられます。
【飲み込みの機能】を聞き取って嚥下機能を調べます。
『EAT-10』の質問表には、飲み込むことで体重の減少や、液体や固形物の飲み込み、食事中の咳、飲み込みでのストレスなど10項目を、「問題なし~ひどく問題」の4つのレベルで採点していきます。
以上の検査で3つ以上の項目でチェックとなった場合、「口腔機能低下症の診断となります」
機能の回復・向上には、トレーニングを毎日ストレスのかからないように継続することをお勧めします。歯科衛生士が提案するトレーニングの一つに、唾液腺マッサージとあいうべ体操があります。
医療法人ポライト あい歯科 矯正歯科
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